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裁判員制度がはじまりました
高野 伸子



裁判員制度がはじまりました  高野 伸子



5月21日から裁判員制度がはじまりました。
世界では、日本の裁判員制度とは異なりますが、約80カ国で国民が刑事裁判に参加しています。
裁判員制度の導入は、国民の司法参加によって国民に理解しやすい裁判を実現し、さらに司法に対する信頼向上が期待されています。対象は、殺人や強盗致死傷など裁判員法が規定した重大事件の一審です。

5月21日に起訴された4件が、裁判員が参加する事件と決まりました。
この事件に関して、裁判員候補者には6月から呼び出し状が届き、早ければ7月に裁判員参加の裁判がはじまります。

この裁判員候補者は、裁判員候補者名簿にのっている人から選ばれます。
名簿は、各地方裁判所(全国60ヵ所)ごとに,管内の市町村の選挙管理委員会が衆院議員の有権者名簿からくじで選んで、翌年の裁判員候補者名簿が作成されます。

全国の地裁は毎年12月ごろまでに、「調査票」とともに候補者に裁判員候補者名簿に記載されたことを通知します。「調査票」は、就職禁止事由(警察職員や自衛官は裁判員になれません)や客観的な辞退事由に該当しているかどうかなどをたずねる内容です。「調査票」を返送し,明らかに裁判員になることができない人や,1年を通じて辞退事由が認められる人は,辞退ができます。

裁判員候補者は、各地方裁判所ごとに決められるため地域格差がありますが、だいたい年間で約4160人に1人の確率となります。名簿は毎年作り替えられ、該当期間は1年となります。昨年作成された名簿には、全国で29万5千人が記載されました。
裁判員候補者になられた方のプライバシーや生活の平穏を守るため,裁判員候補者名簿に登録されたことをインターネット等で公表するなど,裁判員候補者になったことを不特定多数の人が知ることができるような状態にすることは,法律上禁止されています。

そして事件ごとに名簿の中から,くじで裁判員候補者が選ばれます。
原則,裁判の6週間前までに「選任手続期日のお知らせ(呼出状)」と事前の「質問表」が送られてきます。だいたい1事件あたり50人〜100人程度の裁判員候補者に知らせがいきます。ここでの「質問表」で裁判の時期に辞退が認められることもあります。単身赴任で住んでいるところが遠く地裁へいくのが困難、妊娠中など、新聞やネットのサイトをよむと、辞退理由としてさまざまな状況が想定されています。さらに具体例として、家族旅行を計画して旅費などを払い込んでしまい、取り消すと手数料が高額になる場合、「政令では、自分か第三者に『身体上、精神上、経済上の重大な不利益』が生じる場合は辞退ができる」としているため、多額のキャンセル料を取られる海外旅行は『経済上の重大な不利益』に当たると説明しており、辞退が認められるとされています。

裁判の当日、裁判長の面談とくじで事件ごとに、原則、裁判員6人が選ばれます。通常であれば午前中に選任手続を終了し,午後から初公判となります。辞退が認められていない場合に、選任手続きに裁判所まで出向かなったときは、10万円以下の過料と規定されています。

裁判員裁判は原則、裁判官3人裁判員6人で審理をします。
有罪か無罪か。有罪の場合の量刑については、裁判官との評議を通じ過半数の意見で決まりますが、結論は裁判官、裁判員の意見を含むことが必要で、裁判官が全員無罪とした場合、有罪が過半数でも無罪となります。

日当は、担当する事件などで違いがあり、裁判員と補充裁判員は上限が1日1万円、裁判員候補者は8千円以内。選任手続きが午前中で終わり、裁判員に選ばれなかった場合4千円程度になります。交通費、宿泊料も支払われます。服装は自由。法服は着られません。
また、裁判員には、評議の秘密、職務上知り得た秘密について、守秘義務が課せられます。裁判員としての体験や感想を語るのはよいとされています。

今回の裁判員制度の導入により、浅いながらも私が興味をもったように、たくさんの方が裁判そして司法に関心がおきたと思います。制度に対してさまざまな反応がおきていますが、無関心から関心に変わった人たちがいるということが、大事なことだと思いました。導入により、よりよい方向にいくことを期待しています。


〈参考〉
最高裁判所 裁判員制度
共同通信ニュース 裁判員制度 連載企画「一問一答」


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